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青春群像劇 3

■第3話『蘇る記憶』

「それじゃあ、行ってきます!!」

ファン持と温度宮は、声を揃えた。



「あぁ、頼んだぞ!俺は今日ちょっと用事あるから帰るけども」

マ咲は、2人をそそくさと見送った。

「おめーら、連れてくんならペチャパイのブスにしろよ!!!」

pon條は、渋々見送った。

こうして、思特高校バスケ部の運命は、ファン持と温度宮、2人の手に委ねられる事となった。









1時間後。
ファン持と温度宮の2人は、思特高校バスケ部の運命が自分たちの手に委ねられている事など、すっかり忘れていた。

とあるファミレス。
思特高校の他にも付近に大学や専門学校もあり、平日の午後ではあるものの、そこは学校帰りの学生たちで賑わっていた。

「それじゃ・・・カンパーイ!」

「カンパーイ!!」

ボックス席に座る、4人の男女。
ファン持と温度宮が並んで座り、向かい側に2人の思特の制服を着た女子高生が並んで座っていた。
「ボクはファン持ガツ哉、2年生。よろしくね!」

「俺は温度宮差助って言います。1年生です。俺ら2人ともバスケ部です!」

「君たちの名前も、聞いてもいいかな?」

2人の女子高生は照れながらも、それぞれ自己紹介を始めた。

「あたしは・・・凛香って言います。思特の・・・一応、3年生」

「あたしも3年生で、凛香と同じクラスの・・・琴乃です」

凛香はやや茶色く染めたショートボブが印象的、琴乃は黒髪のロングヘアで眼鏡がとても似合っていた。
そして2人に共通して言えるのは、どちらもとても美人で、そして・・・どちらも巨乳だった。

だが、緊張からだろうか、2人の挨拶はまだどこかぎこちなく、表情も硬く、4人の間にはまだ“距離”が感じられた。
だが、それも束の間、この後ファン持と温度宮の軽妙なトークによって、その“距離”はすぐに縮むのであった。





「あ、3年生だったんだ?全然そんな風に見えなかったなぁ!」

「そ、そぉ?お世辞でも嬉しいな」

「いやいや、お世辞なんかじゃなくて!なぁ、温度差?」

「そうですね。俺には、18歳にしか見えなかったですよ」

「まんまじゃん!合ってるから、それ(笑)」

「コラ!失礼だぞ、温度差!」

「じゃあ・・・ファン持さんには、いくつに見えたの?」

「あ、ファンガツでいいですよ。ボクは・・・9歳だと思ってた」

「若すぎ!若すぎ!(爆笑)」


そう!女子の自己紹介の際には必ず一言コメント(褒める)するのだ。
とにかく高田純二ばりに適当なコメントをするのだ。






「でも、まさか学校でナンパされるなんて思わなかったよね~」

「ほんと!ビックリしちゃったよね!」

「でも~・・・こういうのも悪くないかも」

「うん、なんか今、チョー楽しいし!」

「そうかなぁ?俺は今、ムカついてるけどね」

「え・・・どうして?ファンガツくん。あたしたちと一緒じゃ、つまんない?・・・ですか?」

「そうじゃなくて、昨日『当分の間、素敵な出会いはありませんね』って俺に言った占い師に」

「も~ぉ、ビックリしちゃったじゃ~ん!(笑)」

「先輩!ちょっと待ってくださいよ!これの、どこが素敵な出会いなんですか!」

「え・・・温度差くんも?・・・怒ってるの?」

「だって、これって、素敵な出会いなんかじゃなく・・・運命の出会いでしょ!」

「も~ぉ、温度差くんまで!大袈裟だよ~!(爆笑)」



そう!「お前、さっきから何なんだよ(笑)」くらい言われればgood jobの、いわゆるハードルをガッツリ下げれば後は自然と上がるだけ作戦なのだ。





「ここのファミレスの照明、明る過ぎない?あ、君たちが眩しいからか」

「またまた~、温度差くん変な事言わないでよ~(笑)」

「ってかさ・・・そもそも、ファミレスって本来ファミリーで来るレストランなんだよね?じゃあ、次来る時までに結婚しなきゃ!」

「早い!早い!早過ぎるから!(爆笑)」



そう!雑に口説きながら笑いを取るのだ。





馬鹿馬鹿しい話の連続ではあったが、場を盛り上げようとするファン持と温度差に、凛香と琴乃は好感を持っていた。
4人は一気に打ち解け、しばらく笑い声が途絶える事はなかった。

そんな時だった。





「関係ないじゃん!!!」

向かいの席の女性が突然大きな声を上げた。
店内は一瞬にして静まり返ったが、彼氏らしき男性がバツが悪そうに頭を下げると、すぐに静寂は去り、店内は再び喧騒を取り戻した。








4人はそれぞれ、ドリンクバーのおかわりやトイレなどで何度か席を立つうちに、自然な流れで席替えが行われており、今、温度宮は凛香と、ファン持は琴乃と並んで座っていた。
そうなると、今度はそれぞれで会話が弾むようになっていた。



「へー。凛香ちゃん、カルピス好きなんだ?カルピスの名前の由来知ってる?」

「えー、知らない。何で?」

「うん。俺も知らない!」

「知らないの!?(笑)」

「へー。凛香ちゃんはコーラも好きなんだ?コカ・コーラの名前の由来知ってる?」

「また!知らない。何で?(笑)」

「コカってコカインの事で、戦争中ケガで苦しんでる兵士の痛みを和らげるために・・・」

「知ってるんだ!!(爆笑)」

何を隠そう、温度宮は、恋愛用語の基礎知識~合コン編~を実践していたのだ。





「琴乃ちゃん、この道を行けばどうなるものか?」

「えー、知らない。どうなるの?」

「知るか!バカヤロー!」

「知らないの!?(笑)」

「琴乃ちゃん、お前も怒ってるのか?誰にだ?」

「全日本に行った武藤にですよ!」

「そうか・・・お前はそれでいいや」

「いいの??(爆笑)」

何を隠そう、ファン持は、恋愛用語の基礎知識~昭和プロレス編~を実践していたのだ。







楽しい時間はあっという間に過ぎ、窓の外は完全に陽が落ちていた。
会計を済まして4人が店を出た時だった。

凛香と琴乃はおもむろにヒソヒソと内緒話を始めた。

「どうかしたの?」

ファン持が尋ねると、凛香が2人を代表してといった感じでひとつ咳払いをしてから、話し始めた。

「ねぇ。2人は・・・彼女さんとか、いるの?もし、いないんだったら・・・また会いたいかな・・・って」






「・・・いないよ」

「俺も・・・いないんだ」

2人は、さっきまでと明らかに違うトーンで答え、そしてこう続けた。

「だから、また会いたいっていうか・・・まだ帰したくない」

















電気の消えた、暗い部屋。

「あっ・・・あっ・・・や、やだ・・・あぁ、すごい・・・」
















マ咲は新作DVDに夢中になっていた。

ババァーーーン!!!

つづく。

青春群像劇 2

■第2話『交錯する想い』

無事に部の名前が元に戻り、全国大会へ向けてやっと一歩前進した、思特高校バスケ部。
しかし、その道のりはまだまだ長く険しいものであった。





とある放課後、バスケ部の部室でマ咲は部員を集めて、こう話した。

「みんな聞いてくれ!今の俺たちには、まず足りないメンバーを探す事が先決だ。しかし、大会までそんなに時間はない。そこで、今日から数日は練習を中止して、メンバー探しに集中しょうと思うんだが」

「確かに、そこからッスね」

ファン持は頷いた。

「最低2人・・・試合の流れを考えると交代メンバーも欲しいとこッスけど、贅沢言ってられないッスもんね」

「いいね!いいね!」

pon條も同意した。

「いよいよ思特バスケ部始動って感じですね!みんなで頑張ってメンバー見つけましょ!」



「あの~・・・」

温度宮が手を挙げた。

「何だ?温度差」

「ちょっと思ったんですけど・・・部の名前も戻ったんだし、辞めていった部員たちに戻って来てもらったらどうでしょうか?短時間でチームの完成度を上げる為には、やはり経験者の方がいいですよね?」

「確かに!俺とした事が、そんな事にも気付かないとは・・・キャプテン失格だな!ハッハッハ」

マ咲は頭をかく仕草をして、おどけて見せた。



「それは無理だよ!温度差くん」

「えっ?どうしてですか?ponさん」

pon條は、珍しく神妙な面持ちで話し始めた。

「だって、キャプテン・・・・・・」





















「マジ嫌われてるから」

ババァーーーン!!!

「えええぇぇぇ!!!俺、そんなに嫌われてんの???」



すると、ファン持も重い口を開いた。

「温度差は入ったばかりだから知らないと思うけど、バスケ部辞めたヤツらで作ったLINEのグループがあってさ。そこにはキャプテンの悪口が溢れ返ってるんだ。やれ『ハピネスチャージとか頭おかしいんじゃね?』だの、やれ『悪いのはマッピーでした』だの、やれ『下ネタばっかでサイテー』だの、やれ『悪いのはマッピーでした』だの、やれ『昼間っからビール飲みやがって』だの、やれ『悪いのはマッピーでした』だの、やれ『悪いのはマッピーでした』だの、やれ『悪いのはマッピーでした』だの、やれ『悪いのはマ

「もうやめろぉぉぉ!!!ってか、お前、何でそんなに詳しいんだ!!!」

「何でって・・・・・・」





















「そのLINEグループ作ったの、ボクなんで」

ババァーーーン!!!



「あのLINE、楽しいよね~!『悪いのはマッピーでした』って書きこんでるのは全部ファンガツくんだけどね(笑)」

「ponちゃんもメンバーなのぉぉぉ???」

ババァーーーン!!!





「じゃあ・・・さっき『キャプテン失格だな』っておちゃらけてましたけど、キャプテンどころか、人間失格なんですね?」

「温度差ぁぁぁ!!!」

ババァーーーン!!!























「と、とにかく・・・新メンバーを・・・探そう・・・」

どれくらい時間が過ぎただろう。
マ咲の涙は、とうに枯れ果てていた。



「じゃあ・・・」

温度宮が立ちあがった。

「自分、女の子をナンパしてきます!誰か手伝ってくれませんか?」

「ちょっと待て!何を言ってるんだ?温度差。俺たちはバスケ部のメンバーを探さなきゃいけないんだぞ?ふざけてる場合じゃないんだぞ!!」

「ふざけてなんかいませんよ!まぁ、俺の考えを聞いてください。つまり、こういう事です」



■温度宮の考え
1.かわいい女の子をナンパする
    ↓
2.女子マネージャーにする
    ↓
3.それ目当てで入部希望者殺到
    ↓
ついでに、その女子マネを食っちゃう






「なるほど・・・」

一同は、しばし考え込んだ。






■マ咲の考え
1.かわいい女の子をナンパする
    ↓
2.でも、ナンパなんてした事ないし
    ↓
3.まぁ、イケメンの温度差に任せれば大丈夫か
    ↓
あ!そんな事より、今日レンタルビデオ店の新作入荷日!



■pon條の考え
1.かわいい女の子をナンパする
    ↓
2.自分よりかわいい女子だったら?
    ↓
3.でもって、自分よりオッパイ大きい女子だったら?
    ↓
あたし、チヤホヤされなくなっちゃうじゃん・・・



■ファン持の考え
1.かわいい女の子をナンパする
    ↓
2.ナンパについてくるのは、どうせ軽い女
    ↓
3.夜のマンツーマンディフェンス
    ↓
マン?丁寧な言葉で言うと、おマン・・・
















「まかせた!!!」
「貧乳で悪かったな!!!」
「イクぞ!温度差!!!」








思特高校バスケ部。
メンバー集めの為、ファン持と温度宮はかわいい女の子をナンパする事となった。
第2話にして早くも脱線した感がプンプンだが、この物語はあくまで、バスケットに情熱を注ぐ若者たちの、青春群像劇である。

つづく。

青春群像劇 1

■第1話『情熱の彼方に』



「よーし、今日の練習はここまでにしよう。みんな、集合してくれ!」

3年生キャプテンのマ咲 ピー太郎(まさき ぴーたろう/通称マッピー)が号令をかけた。







私立 思春期特有の学園高等学校、通称「思特(しとく)」。
まだ創立して10年にも満たない新設校ではあるものの、文武両道を掲げ、野球部・サッカー部・水泳部・レスリング部等々、全国にも名を轟かす程のスポーツ強豪校である。

今、この体育館にいるバスケ部を除いては。









「お疲れ様です!これ、どうぞ!」

女子マネージャーがタイミングよくタオルを配る。

彼女の名はpon條 po乃香(ぽんじょう ぽのか/通称pon)。
紅一点の2年生女子マネージャー。
多少天然な部分もあるが、気配りもできて、明るい性格の彼女は、もはや思特バスケ部には欠かせない存在となっている。

「ponちゃん、サンキュ。・・・よし!みんな聞いてくれ。いよいよ高総体まであと1ヶ月を切った。今年こそ、全国目指して・・・」

そこまで言いかけた時、1人の男がそれを遮った。



「無理っしょ」

彼の名はファン持 ガツ哉(ふぁんもち がつや/通称ファンガツ)。
現在2年生だが、1年の入部時から即レギュラーの座を獲得したポイントガード。広い視野と、流れを読む能力と、芸術とも呼ぶべきパスセンスを持ち合わせた、ゲームメーカーだ。

「何だと?」

マ咲の希望に満ちた眼差しが一変した。



「夢見るのは勝手ッスけど、そういう熱い感じ?迷惑なんスよね」

「なんでそんな事言うんだ!お前は・・・お前は、誰よりもバスケが好きで、誰よりもバスケに熱い情熱を注いでるヤツだって、俺は知ってるぞ!」

マ咲は激しい怒りを覚えた。
決して才能に恵まれた訳ではなく、人一倍の努力でここまで上り詰めてきたマ咲にすれば、羨ましい程の才能を持っているのに、やる気のない発言をするファン持が許せなかったのだ。



「そうやって決めつけられるのも迷惑なんスよ」

「いいか?今年は彼も入ってきてくれたんだぞ!!」

マ咲の指差した先には、1人の1年生が立っていた。



彼の名は温度宮 差助(おんどみや さすけ/通称温度差)。
中学時代、「10年に1人の逸材」と称された全国区のスモールフォワード。その実力は高校レベルをも凌駕する程だった。
そんな彼が数多の強豪校からの誘いを蹴って、思特に入学してきたのだった。

「正直、チームメイトに頼るしかない自分が情けないが・・・でも、お前と温度差がいれば、全国も夢じゃないんだっ!!!」

「それでも無理ッスよ」

「何故そんな事言うんだ!力を合わせて頑張れば・・・」

「頑張れば?夢が叶う的なヤツッスか?現実見てくださいよ、キャプテン」

「お前、いい加減にしろよっ!!!!」

マ咲は、ファン持の胸ぐらを掴み、叫んだ。



「離せよっ!!!俺だって・・・俺だって全国行きてぇよ・・・」

「ファンガツ・・・」

「あんたの言う通りだよっ!!俺は・・・バスケが好きで好きで仕方ないんスよ・・・」

いつの間にか、ファン持の目には涙が溢れていた。

「でも・・・無理なもんは無理なんスよ・・・」

「そこまで言うなら・・・お前が無理だと断言する、その根拠を言ってみよろっ!!」

「根拠も何も・・・・・・・」






















「俺ら3人しかいないじゃん」

ババァーーーン!!!





「去年の夏、3年が引退して、あんたが新キャプテンになった途端、20人もいた部員みんな辞めちゃったし!今年だって、温度差以外1人も1年生入ってこねぇし!明らかにあんたのせいじゃねぇッスか!!」

「た、確かに・・・原因はわからんが」

「はぁ?原因がわからない?それ、マジで言ってんスか?」

「あぁ、特に思い当たるフシは・・・」

「なら教えてやるよ!あんたが独断で決めちゃった改名だろーがよっ!!!」

「えっ?あの改名が原因?そ、そんな馬鹿な・・・」






体育館と校庭の間にある、各部の部室が連なる2階建てのプレハブ。
その1階真ん中に位置するバスケ部部室のドアの上。
























ハピネスチャージ♡バスケ部

「明らかにプリキュアじゃねーかっ!!!」

「そ、そうだったのか・・・これが原因だったのか」



「わたしはいいと思ったけど?」

pon條がきょとんとした顔で口を挟んだ。

「いい訳ねーだろっ!!部の名前にハートが入るとかアホじゃねーの?」

「でもさ、こんな言葉もあるよ!『マツコ批判、したい時にマツコなし』・・・ってね」

「・・・・・・・・・・・・・いや、さっぱり分かんない。上手い事言っただろ?的な顔してるけども!」



すると、黙り込んでいたマ咲が口を開いた。

「そういう事か!だからファンガツは、放課後教室で着替えて、直で体育館に来てたのか!!」

「いや、それは合ってるけども!!なんでさっきので分かるの???おい、温度差!お前はおかしいと思うだろ?」

「そうですね・・・たしかにハピネスチャージはちょっと・・・」

「そうだよな!そうだよなっ!!」

「やはり、学生の醍醐味と言ったら、女子の夏服から透けるブラ線。これだけは譲れませんね!」

「・・・・・・・・・・・・何の話だよっ!!!その意見は否定しないけども!」



1人だけ汗だくになっているファン持は、「もしかして俺の方がおかしいのか?」という疑念を必死に振り払った。

「まず名前を元に戻せ!!話はそこからだ!!!」











思特高校バスケ部。
マ咲 ピー太郎、ファン持 ガツ哉、温度宮 差助、pon條 po乃香。
バスケットに情熱を注ぐ4人の若者たちの物語が、今ここに幕を開けた。

つづく。

金玉一少年の事件簿 第4話

■前回までのあらすじ








テテテテッ!

テテテテッ!


























tetetete.jpg
テ~テ~~~♪










■第4話 金玉一少年 VS 名探偵コーマン





「ねぇ、はじめちゅわ~ん。この事件、本当に解決できるの?」

「もちろん!」

「私、比嘉さんとは少ししか話してないけど、本当に素敵な女性だった。
 あんな人を殺した犯人が許せない・・・絶対に捕まえてよね!」

「任せておけよ、美雪」

「それと、はんじめちゃん・・・次『さかともえり』つったら殺す!」

「・・・・・・・・は、はい」





その時、俺たちのいた部屋のドアがノックされた。





「金玉なんちゃらさん、1号車と2号車のお客様に食堂車にお集まり頂きましたが」

「わかりました。美雪、俺たちも行こう!」

「はじめちゃん・・・もう『金玉なんちゃら』の所はツッコまないのね?」

テテテテッ テテテテッ テ~テ~~~♪




















食堂車。

本来なら優雅な旅を彩る空間なのだろうが、重苦しい空気に支配された今は、
さながら取調室のようであり、牢獄のようでもあった。

「それでは皆さん!これから皆さんに犯行時刻のアリバイを聞いていきたいと思います。
 が!その前に・・・

 何で、てめぇまでいんだっ!!コーマン!!!」

「いいじゃない!ぼくにも話を聞かせてよ。口は挟まないからさ!」

「なんだと~ぉ・・・アレか?
 コーマンだけに口は挟まないけど、アレは挟み込むってか?そんな下ネ

テテテテッ テテテテッ テ~テ~~~♪














俺は、車掌からもらった乗客リストと照らし合わせながら、
食堂車にいる人間を1人づつ確認していった。


「まずは、1号車の1番から・・・」


■1号車/1番

 重和瀬 鰤彦(おもわせ ぶりひこ)71歳・会社役員
 重和瀬 鰤子(おもわせ ぶりこ)69歳・無職

「犯行時刻はお二人とも、もう就寝されていたと」

「あぁ、そうだ」

「でも・・・ご夫婦なら口裏を合わせる事も容易いか・・・」

「なんだとっ!!」

「いやいや、ただ可能性の話をしただけですよ」

「大体、何故私たちがこんな取り調べのような真似をされなきゃいかんのだ!!!」

「まぁまぁ、そんな怒らないでください。全員に聞いていくんですから。
 それとも・・・何か聞かれちゃマズイ事でもあるんですか?」

「いや・・・・・・・・あ、あるわけないじゃないかっ!!!!!」

「あなた!落ち着いてっ!」

「重和瀬鰤彦さん、鰤子さん・・・あんたら、思わせぶり~ぃ

テテテテッ テテテテッ テ~テ~~~♪







「それでは隣の方に移りましょう」


■1号車/2番

 椎名 綾(しいな あや)21歳・OL

「そもそも、札幌の友人に会いに行くのに、何故カシオペアを?」

「そんなの、あんたに関係ないじゃない!!」

「しかし妙ですね~。せっかくのカシオペアなのに上野で乗車してから、
 一歩も部屋から出なかったんですか?」

「だ~か~ら!気分が優れなかったの!何度も言わせないでよっ!!」

「椎名綾さん・・・あんた、怪し

テテテテッ テテテテッ テ~テ~~~♪







「えーっと、3番は空室・・・車掌さん、間違いないですね?」

「ん?そだよ。だからさっさと次いけよ!金玉なんちゃら」

「くっ・・・て、てめ

テテテテッ テテテテッ テ~テ~~~♪







「で、4番が殺された比嘉さんの部屋だな」

■1号車/4番

 比嘉 伊紗子(ひが いしゃこ)28歳








「それでは2号車に移りましょう。
 1番は俺で、2番は美雪だから、よしっと」


■2号車/1番

 金玉一 一(きんたまいち はじめ)17歳・高校生・天才探偵


■2号車/2番

 七瀬 美雪(ななせ みゆき)17歳・高校生・さかともえり


「はじめちゅわんの、バカァァァアアア!!!」

「ぐわぁぁぁあああ!!!車掌さぁぁぁんんん!!!救急セットォォォ!!!」

「ん?やだ。めんどい」

tetetete4.jpg

テテテテッ テテテテッ テ~テ~~~♪











「それでは、2号車の3番」


■2号車/3番

 鍵尾 握輝(かぎお にぎてる)37歳・フリーライター

「じゃあ、あなたは部屋に籠って原稿を書いていたと」

「そうだよ」

「ちなみに・・・今、そんな記事を書いてるんですか?」

「お、教えらんないね・・・それより早く解放してくんねぇかな?
 締め切りもあるし、こう見えても俺、忙しいのよね!」

「もうすぐですから、もう少々だけお付き合いください」

「ったく・・・あんな女、殺されて同然なんじゃねーの?」

「鍵尾さん!それはどういう意味ですか?」

「べ、別に・・・意味なんかねーよ!!!」

「鍵尾握輝さん・・・お前が鍵を握って

テテテテッ テテテテッ テ~テ~~~♪






「それでは最後に4番の・・・」


■2号車/4番

 伴 任太郎(はん にんたろう)40歳・公務員 


「は、はん にんたろう・・・?フッフッフ」

「な、何ですか?」

「いえ、もう結構です・・・
 皆さん!ご協力ありがとうございました。

 もう、この事件は・・・解決しました!!!」

「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!何で僕には何も聞かないんスか!!!」

テテテテッ テテ









「ちょっと、いいかな?」







「はぁぁぁあああ???
 お前、何、いっちばん大事な『テテテテッ』の最中に割り込んでんの?
 一度気に入ったフレーズはしつこい程繰り返し使うのがこのブログじゃん!!!
 いかも、お前、口は挟まないって言ったよな?クソガキがぁ!!!!!!」




「おじさん、もしかして・・・伴さんが犯人だと思ってない?」

「は、はぁ?・・・そんなの、お前に関係ないじゃん」

「もしかしてだけど・・・『はんにんたろう』→『犯人だろう?』だから?」

「ち、ち、ち、違えーし!!!」

「も~しかしてだけど~♪ も~しかしてだけど~♪」

「安易な理由で 犯人にしたんじゃないのー♪・・・って、うっせぇわ!!!!」

「「そーゆー事だろっ♪ ジャン!!」」
















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テ~テ~~~♪











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テ~テ~~~♪
















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テ~テ~~~♪













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テ~テ~~~♪












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テ~テ~~~♪































「うぉーーーい!!!
 お前ら、ぎょうさん集まって、何しとんのじゃ!!!」



4号車側のドアが開き、
何やらガラの悪そうな男が現れたのだった。










ネクスト コーマンズ ヒント!









飽きて来た。














次回『金玉一少年の事件簿~真・謎解き編Ⅱ~』

ご期待ください。

金玉一少年の事件簿 第3話

■前回までのあらすじ








テテテテッ!

テテテテッ!


























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テ~テ~~~♪










■第3話

「ところで車掌さん!たしかこの寝台列車のチケットを購入する時は、
 名前が必要でしたよね?」

「えぇ」

「じゃあ、この亡くなられた方の名前もわかりますか?」

「はい」

車掌は乗客リストを取り出した。

「1号車の4番ですから・・・比嘉 伊紗子さんですね」

「ひが、いしゃこ?被害者だけに『ひが いしゃこ』こりゃ愉快!ハッハッハ

テテテテッ テテテテッ テ~テ~~~♪










「車掌さん、お願いがあります」

「何でしょう?」

「乗客全員を、そうですね~・・・食堂車に集めてもらえますか?」

「全員ですか?」

「俺が犯人を見つけるって言ったでしょう?
 まずは、犯行があった時間帯のアリバイを、全員から確認したいんです」

「でも・・・本日この列車には120名ほどのお客様がおりますが?」

「そんなにぃ???」

「金玉なんちゃらさん、その中から本当に見つけられるんですかぁ?(笑)」

「いや、えーっと・・・それは、その~~

テテテテッ テテテテッ テ~テ~~~♪









「それなら、大丈夫だよぉ!」

突然、幼い子供の声がした。
俺たちは一斉に声のした方を見た。

するとそこには、やはり小学生くらいの男の子が立っていた。




「ぼくぅ、さっきのはどういう事かなぁ?
 ここはねぇ、ぼくみたいな子供の来る所じゃあ、ないんだよ~ぉ!
 いい子だから、お部屋に戻りなさ~い!」

俺は、目の前の子供をやさしく諭した。




「ねぇ!犯行時間は24時30分~2時30分の間なんでしょ?
 その時間、ぼくはずーっと3号車の食堂車にいたけど、
 2号車の方からは、だ~れも来なかったよ!」

「あれれ~?お兄ちゃんの話聞いてなかったかな~?
 今ね、と~っても怖い事件が起きてるから!戻りなさいっ!」

俺は、目の前のガキをちょい強めに諭した。




「おじさん、まだ気付かないのぉ?」

「お、おじさん・・・・・・・
 ド素人が殺人事件に首突っ込むんじゃねぇぇぇえええ!!!」

俺は、目の前のクソガキに大人げなくキレた。
そして、車掌や美雪や乗客たちは「お前もド素人な!」と心の中でツッコんだ。

テテテテッ テテテテッ テ~テ~~~♪








「つまりぃ!犯人は1号車か2号車の人の誰かって事じゃない?」

ハッ・・・
俺はその言葉に我に返った。

「だからアリバイを調べるっていうならさぁ、1号車と2号車の人だけを集




「車掌さぁぁぁん!!!
 今すぐ、1号車と2号車の乗客だけを集めてください!!!
 これは俺の推理ですけど、犯人は1号車か2号車の人間です。
 もう一度言います。これは俺の推理です!完っっっ全に、俺の推


テテテテッ テテテテッ テ~テ~~~♪








「あ、はぁ・・・わ、わかりました」

「どうわかったか、言ってみてくださいよ!」

「だからぁ、1号車と2号車のお客様を食堂車に集める。
 んで、これは金玉なんちゃらさんの推理だって・・・事ですよね?」

「わかればいいですよ・・・
 それから、おいっ!!!そこのクソガキィ!!!
 この事件は俺が解決すっから、てめぇはすっこんでろっ!!!
 そもそも、てめぇは誰なんだよっ!!!」

「この姿見て、ま~だわからない~?
 このメガネ、このジャケットに短パン、この蝶ネクタイ、
 そして何より、この鋭い推理力!ぼくの名前は・・・」

「ま、まさか・・・あの・・・江戸川コナンか?」

「人の話は最後まで聞いてよぉ!おじさん」

「また『おじさん』って言ったしぃ!!!」

「ぼくの名前は・・・」

「そんで、目の前の俺を無視したしぃ!!!」

「江戸川コナン・・・
 と大親友だった、爪を噛む癖がやめられない少年・・・
 を自分の都合だけで施設に放り込んだ冷酷な母親・・・
 のパンスト脚がたまらないと生唾を飲む近所の大学生・・・・
 に淡い恋心を頂くケニアからの女子留学生・・・
 役を演じた新進気鋭の若手女優・・・
 にサインを求めたらストーカー規制法でパクられたヲタク・・・
 みたいにはなりなくないと切に願うセパタクロー選手・・・
 とあの日すれ違ったのはぼくだよぉ!
 どうも!江戸川コーマンです!!!」

「コーマンってぇぇぇ!!!!!!(爆)」

テテテテッ テテテテッ テ~テ~~~♪








「金玉VSコーマンはマズイだろぉぉぉ!!!」

テテテテッ テテテテッ テ~テ~~~♪







「あと、後半俺のヤツ!!俺の面白いヤツゥ!!!!!!」

テテテテッ テテテテッ テ~テ~~~♪







「それから車掌ぉ!!!おめぇ、さっきからちょくちょく俺の事
 『金玉なんちゃら』って呼んで馬鹿にしてんの気付いてっからな!!!」


テテテテッ テテテテッ テ~テ~~~♪










「はじめちゅわ~ん!私の出番は~???」

テテテテッ テテテテッ テ~テ~~~♪











テテテテッ!

テテテテッ!































tetetete2.jpg
テ~テ~~~♪





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テ~テ~~~♪




tetetete4.jpg
テ~テ~~~♪














ネクスト コーマンズ ヒント!


























tetetete.jpg
テ~テ~~~♪











次回『金玉一少年の事件簿~真・謎解き編~』

ご期待ください。
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