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リレー小説 プロローグ

「ダメです。戻りません・・・」

「次、200にチャージ!みんな、下がって!」

「チャージ完了!」








「どうだ?」

「サチュレーション低下!意識レベルも下がってます!」

「厳しいな・・・酸素投与5リットル!誰か、こっち手伝ってくれっ!」









「右側頭部に裂傷が見られます」

「取り急ぎ止血してから、頭部CTを撮ろう!」

「分かりました。脳外科に連絡しておきます!」









聖マリアンヌス医科大学病院、高度救命救急医療センター。

日本でもトップクラスの救命救急医療設備を誇るここには、
日々多くの患者が緊急搬送されてくる。

今日も朝から、高速道路での多重事故による患者6人が搬送されて来た。
スタッフは皆、手分けしてそれぞれの処置に当たっていた。





僕は、何の為に医者になったのだろう・・・






田舎で町医者をしていた父は、
子供の頃の自分にとって、ヒーローだった。

父の背中に憧れ続けた僕は、高校生になった頃には、
明確に医者を志すようになっていた。

「多くの命を救いたいなら、多くの症例に立ち会え」
それが、医者を目指し始めた僕に対する、父の口癖だった。

そして、
その言葉を胸に、僕は救命の現場を選んだ。

しかし、現実は厳しかった。
ここは、まるで戦場だ。

昼夜問わず、患者は運び込まれて来る。
一応、勤務シフトと呼ばれる物は存在したが、
患者が搬送される度、それはただの紙切れと化す。

徹夜が続く事もざらにある。
学生時代に、徹夜で麻雀をしたと、
自慢げに話していた自分が可愛く思える程だ。

そして何より、
死と隣り合わせで、瞬時の判断を強いられるこの現場は、
救えなかった患者の親族に罵られる事もあれば、
人殺し呼ばわりされる事もある。
また、訴訟リスクも高い。

ここへ来て、2年目を迎えた青年医師、久田須(くたす)は、
当初抱いていた医者としての夢を見失いかけていた。






「久田須っ!目の前の患者に集中しろっ!!!」

隣りの手術台から放たれた、センター長の日輪井(ひわい)の檄に、
久田須は我に返った。

「す、すみません・・・」

久田須は、目の前で胸を開かれた状態の男の子を見つめた。

「今、その子の命を救えるのは、お前しかいないんだぞ・・・」

「わかってます・・・大動脈の血流を一旦遮断する。サテンスキー!」

看護師から手際良く手術器具を受け取った久田須の目は、
先程までとは違う、医者のそれになっていた。




40分後。

「よしっ!縫合の方は任せた・・・
 センター長!こっちの男の子はバイタルも安定、大丈夫でしょう」

「久田須、よくやった!俺の方も大丈夫だからは、向こうを手伝ってくれ!」

「はいっ!」

センター長の日輪井は、
その名を知らぬ者はいないと言っても過言ではない程、
救命医療の世界では有名な医師で、
この病院の高度救命救急医療センターが設立できたのも、
彼の尽力だと言われていた。

もちろん、医者としての技術も極めて高く、
同僚からも患者からも、人望の厚い男だった。

彼の指導は、ひと昔前なら当たり前だったのかも知れないが、
現代に於いては、もはや天然記念物とも揶揄される程珍しい、
それはそれは厳しいものだった。
彼の厳しさに耐えきれずに辞めて行く者も少なくなかった。

しかし、ごく稀にだが、彼はこうして褒めてくれた。
それは、久田須にとっても嬉しい瞬間だった。





「外傷性皮下気腫ですね?手伝います」

まだ処置中の40代女性の手術へ加わろうとした時、
消防庁と直通のホットラインが、けたたましく鳴った。

「僕が出ます!
 はい!聖マリアンヌス医科大学病院、高度救命救急医療センター」

「こちら、川崎消防です。化学工場で大規模な爆発事故があった模様、
 怪我人が多数出てます。受け入れ可能ですか?」

久田須は一瞬、声を詰まらせた。
スピーカーを通じて発せられた音声に、
処置に当たっていた皆の手も、一瞬止まった。

この短い情報から、現場の惨状を想像し、
そして・・・ここもすぐに同じような惨状になる事を想像したのだろう。
その張り詰めた静寂の中、
機器が放つ電子音だけが、正確にリズムを刻んでいた。

久田須は意を決して、口を開いた。

「申し訳ない。今、こちらも手一杯で・・・」






その時、不意に手術室の自動ドアが開いた。

「いや!受け入れるべきだ!!!」

黒いジーンズにグレーのカットソーという出で立ちの男は、
入ってくるなり、呆気に取られる久田須から受話器を乱暴に取り上げ、
「受け入れOKです。すぐに搬送して下さい」と告げると、
これまた乱暴に、受話器を置いた。



「ちょっ!あなた誰なんですか?部外者が勝手な」

「医者の手が空くまで、患者は血を止めて待ってくれるのか?」

「そ、そんなの屁理屈です!こんな状態で受け入れた所で」

「時は来た!・・・・・・それだけだ」

「何なんだよ一体・・・あんた」

「久田須!いいんだ・・・彼の指示に従うんだ!」

「センター長?・・・どういう事ですか?この人は一体誰なんですか?」









こうして、
聖マリアンヌス医科大学病院、高度救命救急医療センター創設以来、
史上最悪の事件が幕を開けた。
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comment

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No title

うぉ~~~~
読んじゃった!!!
あー読んじゃった!!!

怖い!
なんだか怖い!

難しい医療用語とかぽんぽん山だし!

パニック!
もうパニック!

ラストにかっちょよく登場したの、誰なんだろ?
ん~~~~~、困った!

パニック!
よし!落ち付け!
寄席だ!
寄席にいこう!
寄席で続きを考えよう!
無理だ!
きっと無理だ!

パニック!

No title

パクリたいけどリレー小説だからパクれないんだよね~
仕事も忙しいんだよね~
帰るのが遅すぎて嫁と\久田須!/できないんだよね~
だよね~
だよね~
そやなぁ~
そやなぁ~
言うっきゃないかもね!そんな時にはね~
だよね~
ねぇちょっと聞いてよ私のカリ
そこら辺のとは大違い
凄くおしゃぶりなカリ
カリはカリでもカリントウ~
だよね~
だよね~
言うっきゃないかもね!そんな時にはね~
だよね~

No title

怖い怖い怖い!!
緊張からでしょうか…読んでてこんなに頭に入ってこない小説初めて!!私もパニック!

鳥取さんのコメで若干平静を取り戻せましたがw

怖い!!!

No title

カッチョイィーー!!
病院名が若干気になりますが、その他は超真面目で超カッコイイプロローグですね!
基本的に16文字以上の文章が書けない私は、陰ながら一読者として応援させて頂きます。
皆さん楽しみにしてますので、頑張ってください!ウフ♥

No title

ファンガツさん、こんちわ^^

 いよいよ始まりましたねぇ。

 緊迫した幕開け、次に続くストーリーが大変楽しみです^^

 次はマピさんですね、テクニシャンですから、きっとスゲー展開に
してくれると期待してます^^

 久田須、頑張れ、マジで頑張れ。
 久田須、負けるな、マジで負けるな。

No title

最後に登場した、黒っぽい服装の男・・・
名前が出てないので、この人を誰にするのか・・・

くっそぉwwクッタスさんの考えは読めないからなぁw
まずはクッタスさんの続きを読まない事には
その後のストーリーも考えられないッス(笑)

あ、でも僕の後は小生さんか・・・

ちょっとくらいなら無茶してもいいかな?

No title

いよいよ幕が開けましたねー。
リレーに参加する皆さんのコメントから、とてつもない緊張感が
伝わってきます。
医療関係の用語は「メス」と「汗」しか知らないので参加できませんが、
ババン子さんを中心に応援したいと思っています。

ババン子さん頑張れー。他の奴らもな。

No title

うわっ。本格的な始まり方だ!!
純粋に物語を楽しみたい一方で、
今後、どのような展開になるのか
予測不可能という高いハードルが
まるで刑務所の塀のようにそびえ
たっているかのようです。

頭の中になぜか江口洋介が、
出てきてしまいましたが、
頭を打った後遺症だと思います。
ま、楽しまなきゃねw うん、うんww

Re: No title


フフフッ・・・
苦しむがいいさ!!!

寄席に行っても、ボケどころじゃなくなって、
ずっと観客席に座りっぱなしで、悩むがいいさ!!!(笑)

取鳥さん


この人、
緊張感のかけらも無い!!!(笑)

仕事忙しくてブログ更新まではできないから、
せめて「ガッツマンのブログコメで発散しよう」
的なニオイを感じますよ(笑)

ババン子ちゃんへ


大丈夫!
僕がいつでも傍にいるからね。

困った事があったら、
いつでも言ってきておくれ!

キラ~ン☆

ポリンキーさん


とりあえずプロローグだから、
極力ボケ要素なしで行きたかったんです。

でも、無理だったんです。
せめて病院名だけでもと思ったんです。

もう、軽く病気です(笑)

っていうか、
ポリンキーさんもすぐにブログ開設して、
今からでも参加するべきだと思います!!!!!!!

いんでいさん


はい!
遂に幕が明けました!!!

果たして、
何話までこの緊迫した展開が続くのかは甚だ疑問ですが、
あたたかく見守っていきましょう!(笑)

マッピーさん


これまでの経験上、
事前にある程度ストーリーを組み立てるのは無駄ですね(笑)

直前の人が、予想もつかないような、
とんでもない爆弾を投下してきますからね!!!

まぁ、僕自身も、
最後まで『シリアスな医療ドラマ』で行くなんて思ってませんから、
思いっきり無茶しましょう!!!

渋谷店さん


っていうか、
渋谷店さんは既にブログ持ってますよね?
さらりと面白い事書けますよね?

飛び入り参加して欲しいなぁ・・・

飛び入り参加して欲しいなぁ・・・

飛び入り参加して欲しいなぁ・・・

飛び入り参加して欲しいなぁ・・・

飛び入り参加して欲しいなぁ・・・

5回言いましたよ?

ミラ・ジョpoヴィッチさん


そうなんですよね。
本当に予測不能なんですよね、これって。

> 頭の中になぜか江口洋介が、
> 出てきてしまいましたが、

正直、
プロローグの時点での僕のイメージは、
まさにソレでした(笑)

よし!軽い気持ちで参加しようとしなくて正解だった!

ばっはさん


軽い気持ちで参加して、大怪我してもいいんですよ?(笑)
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