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『予定』6

―10―

2011年6月12日(日)










男は、携帯電話の十字キーを押し、
画像を次々に表示しながら、
昨日の自分の行動を振り返っていた。





つい昨日の事が、
興奮と共に蘇ってくる。





玄関を入ると、
狭い廊下の右側がキッチンになっていて、
調理器具や少なめの食器などが整然と並んでいた。

左側には、トイレ・脱衣室・浴室があり、
ここも綺麗に整理、掃除が行き届いていた。

そして廊下のドアを開けると、
8帖程の部屋があった。
正面はベランダに出入りできる大きな窓があり、
左側にはベッド、チェストボックス、
右側にはテレビとレコーダー、メタルラック、
背中側には造り付けのクローゼット、
中央にはローテーブル、クッションというレイアウトだった。

男は、まず始めに、携帯電話のカメラで、
隅々まで何カットも撮影しながら、
「この香りも保存出来たらいいのになぁ・・・」
と、独りごちた。

次に、男は五段に仕切られたメタルラックの物色を始めた。
下の二段は、ファッション雑誌や旅行雑誌などの本棚代わりになっていた。

真ん中の二段には、様々な箱やケースが並んでいた。
男が医療用のゴム手袋をはめた手で、ひとつひとつ開けていくと、
化粧道具をまとめた箱、アクセサリー類を収めたケース、
そして通帳や郵送で届いたカード明細書などが入った箱。

そして・・・
男はその明細書から、彼女の下の名前を知った。





その箱には、他にも電気やガスの使用量のお知らせや、
ショップからのDMといった類もあった。
そして、その全部を手に取ってみて、男は気付いた。

箱の底に、キーホルダーなども付いていない、
銀色の鍵がひとつあった。

まさかと思った男は、その鍵を持ち玄関に戻り、
とりあえず下駄箱の上に置きっぱなしだった、
キーホルダー付きの鍵と照らし合わせた。

同じだ。
これは、スペアキーだ。

彼女が落とした方のキーを持ち去り、
鍵屋で合い鍵を作ろうかとも考えていたが、
店が開くには、まだ時間が早い。
その間に彼女は戻って来てしまうだろう。

その場合、合い鍵を作ったとしても、
鍵自体を取り換えられてしまう可能性もある。

しかし、このスペアキーなら話は別だ。
様々な書類類の底に埋もれたスペアキーなら、
そうすぐには紛失に気付かないだろう。

そして、
男はスペアキーを自分のバッグにしまったのだった。



一番上の段には、木製のフレームに納められた写真が飾られていた。
海外だろうか、青い海をバッグに、
女友達らしき人物と無邪気にピースをしている彼女がいた。

始めて見る彼女の笑顔、
男にとってはそれも嬉しかったのだが、
男性と映っている写真が無かった事に、男はほっとした。




さて!
ゆっくりもしていられない。
そろそろ彼女が戻ってくるかもしれない。

と思った男だったが、写真フレームの横にあった、
卓上サイズのスタンドタイプのカレンダーに目が止まった。

そこには、手書きでいくつかの『予定』が書き込まれていたのだが、
来週末の彼女の『予定』を、男は自分のスケジュール帳に書き写した。




そして、もう一度部屋を見渡し、
自分の痕跡が残っていない事を確認した。

そして最後に・・・
かなり迷ったのだが、
ベランダへ出て干してある洗濯物の中から、
一枚のパンティーを盗り、自分のバッグへとしまい、部屋を出た。




部屋を出た男は、
キーホルダー付きの鍵を、通路の元々落ちてあった場所に戻し、
エレベーターで1階まで下り、彼女のマンションを後にした。

昨日、
男が自分の部屋に戻ったのは、
午前8時15分頃だった。








男は携帯電話を置き、
次に、バッグから取り出したスペアキーを眺めた。



まさか、
あんなに短時間にスムーズに侵入し、
スペアキーまで入手出来るとは・・・



実際、男は、彼女の部屋へ向かうまでの間、
様々な侵入方法をシミュレーションしていたのだった。

ガラスを割ったら、どれ程の音が出るだろう・・・
隣りの住人にバレてしまうだろうか・・・

侵入という目的を設定したものの、
全く自信の無かった男にとって、
痕跡を残さずに、このスペアキーを手に入れた事は、
この上無い結果だった。





そこまで、昨日の事を振り返った男は、
スペアキーを置き、次に、最後の戦利品を取り出した。

昨日、左手で持ったそれを頬ずりしては、
右手で何度も何度も自慰に耽った男だったが、
今また、男は、同じ行為を繰り返した。










あぁ・・・万里香・・・
 愛してるよ・・・万里香・・・










何度も彼女の名前をつぶやきながら、
男は果てた。








―つづく―
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No title

ちょ!!!!!

びっくらこいた!!

齋藤万里香さんとおっしゃる????

字は違えど、まったく同じ発音する名前の人が仕事上いらっしゃいましてな。

その人はお役人なんですけどね。

僕、めっちゃめちゃ大っ嫌いだったんですよ。

許されるならば会う度に鼻をグーで思っくそパンチしたいくらいだったんですよ。

今年になって異動されて関わりがなくなってホっとしてたんですが、

まさか、このブログで名前を思い出すとは!!!


なんだろ、次回からちょっとストーカー贔屓の読み方になりそうな自分がいますw

No title

実体験!!
今度こそファンガツさんの実体験ですよね!?

それはさておき、恐ろしいぐらい予定通りに進む男の行動。
まるで誰かの予定にそって踊らされているかのようですね。
斉藤さんと男が出会うとき、全ての謎が明かされ、何かとてつもない化学反応が起こりそうな予感がします。
そして、その結果にとても引きつけられています。
期待してますよ~!..って誰がミスンキーなんですか!(笑)
あ、ちなみに最近はSFに傾いてます。

No title

いいですね~部屋の詳細な説明。

「そして最後に・・・
かなり迷ったのだが」

ここグッときました。吹きましたよww

戦利品にスペアキー、いい物を手に入れましたね。
斉藤さんは男いないのかな・・
ストーカーよ、無くしたときのためにそのスペアキーを
コピーするんだ!w

No title

一人暮らしの女の人の部屋かどうかは、
もうひとつチェックしておきたい点があるので、
ここで、お知らせしておきます。

その前に、カレンダーに書いてある予定を
書き写してるって、この行動がまだ続くってことですよね?
そして、名前が、ここで明かされて、
自分の名前じゃなかったことに安堵したよ。

あ、一人暮らしかどうかのチェックのお知らせ?
長くなるから、、、。時間があるときにね。うん。
『斎藤万里香』のスピンオフの物語っぽいの書きたい。
時間がなーーい。 さて、この物語どうなるんだか。見逃せナイっとww

No title

マピ香・・あ、違った!万里香・・・

マピ香が淡い色の下着を・・

あぁマピ香・・・

違った!

万里香・・・

クッタスさん


へぇ~・・・

適当に設定した名前でしたが、
同姓同名の方がいらっしゃいましたか!

しかもムカツク奴!!!

クッタスさんも、
一度そいつの部屋に侵入して淡い色の下着を盗んでみて下さい。

世界観が変わるかもよ(笑)

ポリンキーさん


だから、違いますってば!!!(笑)

それにしても、
ボケたがり&飽きっぽいこの僕が、ボケ無し真面目小説で、
一週間を突破するとは思いませんでした!

今週も、
ミステリー好きで最近はSFに傾いてきたポリンキーさん、
略して、ミスSンキーさんに喜んでもらえるように、頑張ります!!!

ブタマンさん


遂に、
変態としての一線も越えてしまった男でした!

「斎藤さんに付き合っている男はいないのか?」

この辺は、まだ謎にしておきます。
ガッツッツッツ・・・

ponさん


斎藤万里香スピンオフ!
すっごく、いいじゃないですか!!!

長くても今週中には本編終了の予定なんで、
それまでには彼女の人物像も明らかになると思います。
時間がある時にでも、ぜひ書いてみてください。

取鳥さん


ガッツッツッツ・・・
さすがは取鳥さん!

ずばり、マピ香から頂いた名前です!!!

真面目小説なので、
さすがに「マピ香」まんまとは出来なかったので、
モジってみました。
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