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青春群像劇 3

■第3話『蘇る記憶』

「それじゃあ、行ってきます!!」

ファン持と温度宮は、声を揃えた。



「あぁ、頼んだぞ!俺は今日ちょっと用事あるから帰るけども」

マ咲は、2人をそそくさと見送った。

「おめーら、連れてくんならペチャパイのブスにしろよ!!!」

pon條は、渋々見送った。

こうして、思特高校バスケ部の運命は、ファン持と温度宮、2人の手に委ねられる事となった。









1時間後。
ファン持と温度宮の2人は、思特高校バスケ部の運命が自分たちの手に委ねられている事など、すっかり忘れていた。

とあるファミレス。
思特高校の他にも付近に大学や専門学校もあり、平日の午後ではあるものの、そこは学校帰りの学生たちで賑わっていた。

「それじゃ・・・カンパーイ!」

「カンパーイ!!」

ボックス席に座る、4人の男女。
ファン持と温度宮が並んで座り、向かい側に2人の思特の制服を着た女子高生が並んで座っていた。
「ボクはファン持ガツ哉、2年生。よろしくね!」

「俺は温度宮差助って言います。1年生です。俺ら2人ともバスケ部です!」

「君たちの名前も、聞いてもいいかな?」

2人の女子高生は照れながらも、それぞれ自己紹介を始めた。

「あたしは・・・凛香って言います。思特の・・・一応、3年生」

「あたしも3年生で、凛香と同じクラスの・・・琴乃です」

凛香はやや茶色く染めたショートボブが印象的、琴乃は黒髪のロングヘアで眼鏡がとても似合っていた。
そして2人に共通して言えるのは、どちらもとても美人で、そして・・・どちらも巨乳だった。

だが、緊張からだろうか、2人の挨拶はまだどこかぎこちなく、表情も硬く、4人の間にはまだ“距離”が感じられた。
だが、それも束の間、この後ファン持と温度宮の軽妙なトークによって、その“距離”はすぐに縮むのであった。





「あ、3年生だったんだ?全然そんな風に見えなかったなぁ!」

「そ、そぉ?お世辞でも嬉しいな」

「いやいや、お世辞なんかじゃなくて!なぁ、温度差?」

「そうですね。俺には、18歳にしか見えなかったですよ」

「まんまじゃん!合ってるから、それ(笑)」

「コラ!失礼だぞ、温度差!」

「じゃあ・・・ファン持さんには、いくつに見えたの?」

「あ、ファンガツでいいですよ。ボクは・・・9歳だと思ってた」

「若すぎ!若すぎ!(爆笑)」


そう!女子の自己紹介の際には必ず一言コメント(褒める)するのだ。
とにかく高田純二ばりに適当なコメントをするのだ。






「でも、まさか学校でナンパされるなんて思わなかったよね~」

「ほんと!ビックリしちゃったよね!」

「でも~・・・こういうのも悪くないかも」

「うん、なんか今、チョー楽しいし!」

「そうかなぁ?俺は今、ムカついてるけどね」

「え・・・どうして?ファンガツくん。あたしたちと一緒じゃ、つまんない?・・・ですか?」

「そうじゃなくて、昨日『当分の間、素敵な出会いはありませんね』って俺に言った占い師に」

「も~ぉ、ビックリしちゃったじゃ~ん!(笑)」

「先輩!ちょっと待ってくださいよ!これの、どこが素敵な出会いなんですか!」

「え・・・温度差くんも?・・・怒ってるの?」

「だって、これって、素敵な出会いなんかじゃなく・・・運命の出会いでしょ!」

「も~ぉ、温度差くんまで!大袈裟だよ~!(爆笑)」



そう!「お前、さっきから何なんだよ(笑)」くらい言われればgood jobの、いわゆるハードルをガッツリ下げれば後は自然と上がるだけ作戦なのだ。





「ここのファミレスの照明、明る過ぎない?あ、君たちが眩しいからか」

「またまた~、温度差くん変な事言わないでよ~(笑)」

「ってかさ・・・そもそも、ファミレスって本来ファミリーで来るレストランなんだよね?じゃあ、次来る時までに結婚しなきゃ!」

「早い!早い!早過ぎるから!(爆笑)」



そう!雑に口説きながら笑いを取るのだ。





馬鹿馬鹿しい話の連続ではあったが、場を盛り上げようとするファン持と温度差に、凛香と琴乃は好感を持っていた。
4人は一気に打ち解け、しばらく笑い声が途絶える事はなかった。

そんな時だった。





「関係ないじゃん!!!」

向かいの席の女性が突然大きな声を上げた。
店内は一瞬にして静まり返ったが、彼氏らしき男性がバツが悪そうに頭を下げると、すぐに静寂は去り、店内は再び喧騒を取り戻した。








4人はそれぞれ、ドリンクバーのおかわりやトイレなどで何度か席を立つうちに、自然な流れで席替えが行われており、今、温度宮は凛香と、ファン持は琴乃と並んで座っていた。
そうなると、今度はそれぞれで会話が弾むようになっていた。



「へー。凛香ちゃん、カルピス好きなんだ?カルピスの名前の由来知ってる?」

「えー、知らない。何で?」

「うん。俺も知らない!」

「知らないの!?(笑)」

「へー。凛香ちゃんはコーラも好きなんだ?コカ・コーラの名前の由来知ってる?」

「また!知らない。何で?(笑)」

「コカってコカインの事で、戦争中ケガで苦しんでる兵士の痛みを和らげるために・・・」

「知ってるんだ!!(爆笑)」

何を隠そう、温度宮は、恋愛用語の基礎知識~合コン編~を実践していたのだ。





「琴乃ちゃん、この道を行けばどうなるものか?」

「えー、知らない。どうなるの?」

「知るか!バカヤロー!」

「知らないの!?(笑)」

「琴乃ちゃん、お前も怒ってるのか?誰にだ?」

「全日本に行った武藤にですよ!」

「そうか・・・お前はそれでいいや」

「いいの??(爆笑)」

何を隠そう、ファン持は、恋愛用語の基礎知識~昭和プロレス編~を実践していたのだ。







楽しい時間はあっという間に過ぎ、窓の外は完全に陽が落ちていた。
会計を済まして4人が店を出た時だった。

凛香と琴乃はおもむろにヒソヒソと内緒話を始めた。

「どうかしたの?」

ファン持が尋ねると、凛香が2人を代表してといった感じでひとつ咳払いをしてから、話し始めた。

「ねぇ。2人は・・・彼女さんとか、いるの?もし、いないんだったら・・・また会いたいかな・・・って」






「・・・いないよ」

「俺も・・・いないんだ」

2人は、さっきまでと明らかに違うトーンで答え、そしてこう続けた。

「だから、また会いたいっていうか・・・まだ帰したくない」

















電気の消えた、暗い部屋。

「あっ・・・あっ・・・や、やだ・・・あぁ、すごい・・・」
















マ咲は新作DVDに夢中になっていた。

ババァーーーン!!!

つづく。
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