■第2話『交錯する想い』
無事に部の名前が元に戻り、全国大会へ向けてやっと一歩前進した、思特高校バスケ部。
しかし、その道のりはまだまだ長く険しいものであった。
とある放課後、バスケ部の部室でマ咲は部員を集めて、こう話した。
「みんな聞いてくれ!今の俺たちには、まず足りないメンバーを探す事が先決だ。しかし、大会までそんなに時間はない。そこで、今日から数日は練習を中止して、メンバー探しに集中しょうと思うんだが」
「確かに、そこからッスね」
ファン持は頷いた。
「最低2人・・・試合の流れを考えると交代メンバーも欲しいとこッスけど、贅沢言ってられないッスもんね」
「いいね!いいね!」
pon條も同意した。
「いよいよ思特バスケ部始動って感じですね!みんなで頑張ってメンバー見つけましょ!」
「あの~・・・」
温度宮が手を挙げた。
「何だ?温度差」
「ちょっと思ったんですけど・・・部の名前も戻ったんだし、辞めていった部員たちに戻って来てもらったらどうでしょうか?短時間でチームの完成度を上げる為には、やはり経験者の方がいいですよね?」
「確かに!俺とした事が、そんな事にも気付かないとは・・・キャプテン失格だな!ハッハッハ」
マ咲は頭をかく仕草をして、おどけて見せた。
「それは無理だよ!温度差くん」
「えっ?どうしてですか?ponさん」
pon條は、珍しく神妙な面持ちで話し始めた。
「だって、キャプテン・・・・・・」
「マジ嫌われてるから」ババァーーーン!!!「えええぇぇぇ!!!俺、そんなに嫌われてんの???」
すると、ファン持も重い口を開いた。
「温度差は入ったばかりだから知らないと思うけど、バスケ部辞めたヤツらで作ったLINEのグループがあってさ。そこにはキャプテンの悪口が溢れ返ってるんだ。やれ『ハピネスチャージとか頭おかしいんじゃね?』だの、やれ『悪いのはマッピーでした』だの、やれ『下ネタばっかでサイテー』だの、やれ『悪いのはマッピーでした』だの、やれ『昼間っからビール飲みやがって』だの、やれ『悪いのはマッピーでした』だの、やれ『悪いのはマッピーでした』だの、やれ『悪いのはマッピーでした』だの、やれ『悪いのはマ
「もうやめろぉぉぉ!!!ってか、お前、何でそんなに詳しいんだ!!!」
「何でって・・・・・・」
「そのLINEグループ作ったの、ボクなんで」ババァーーーン!!!「あのLINE、楽しいよね~!『悪いのはマッピーでした』って書きこんでるのは全部ファンガツくんだけどね(笑)」
「ponちゃんもメンバーなのぉぉぉ???」
ババァーーーン!!!「じゃあ・・・さっき『キャプテン失格だな』っておちゃらけてましたけど、キャプテンどころか、人間失格なんですね?」
「温度差ぁぁぁ!!!」
ババァーーーン!!!「と、とにかく・・・新メンバーを・・・探そう・・・」
どれくらい時間が過ぎただろう。
マ咲の涙は、とうに枯れ果てていた。
「じゃあ・・・」
温度宮が立ちあがった。
「自分、女の子をナンパしてきます!誰か手伝ってくれませんか?」
「ちょっと待て!何を言ってるんだ?温度差。俺たちはバスケ部のメンバーを探さなきゃいけないんだぞ?ふざけてる場合じゃないんだぞ!!」
「ふざけてなんかいませんよ!まぁ、俺の考えを聞いてください。つまり、こういう事です」
■温度宮の考え1.かわいい女の子をナンパする
↓
2.女子マネージャーにする
↓
3.それ目当てで入部希望者殺到
↓
ついでに、その女子マネを食っちゃう
「なるほど・・・」
一同は、しばし考え込んだ。
■マ咲の考え1.かわいい女の子をナンパする
↓
2.でも、ナンパなんてした事ないし
↓
3.まぁ、イケメンの温度差に任せれば大丈夫か
↓
あ!そんな事より、今日レンタルビデオ店の新作入荷日!
■pon條の考え1.かわいい女の子をナンパする
↓
2.自分よりかわいい女子だったら?
↓
3.でもって、自分よりオッパイ大きい女子だったら?
↓
あたし、チヤホヤされなくなっちゃうじゃん・・・
■ファン持の考え1.かわいい女の子をナンパする
↓
2.ナンパについてくるのは、どうせ軽い女
↓
3.夜のマンツーマンディフェンス
↓
マン?丁寧な言葉で言うと、おマン・・・
「まかせた!!!」
「貧乳で悪かったな!!!」
「イクぞ!温度差!!!」思特高校バスケ部。
メンバー集めの為、ファン持と温度宮はかわいい女の子をナンパする事となった。
第2話にして早くも脱線した感がプンプンだが、この物語はあくまで、バスケットに情熱を注ぐ若者たちの、青春群像劇である。
つづく。
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