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【本日二度目の更新】リレー小説、無事完結しましたね!

「ねぇ・・・ねぇ・・・」

「・・・・・・」

「ねぇってばぁ!」

「・・・・・・んん?」

「ねぇ!お父さんっ!!!」

「どーした?・・・ってか・・・夜中の2時だぞ?」

「なんかね・・・目が覚めちゃったの・・・」

「そうか・・・」

「ねぇ?本の続き読んでよぉ!!!」

「しーっ!!今、電気をつけたら、お母さんも起しちゃうだろ?」

「う~ん・・・」

「こっちにおいで。お父さんとお話しよう!」

「じゃあ、お父さんのお友達の話を聞かせて!」

「仕方ないなぁ・・・じゃあ、ちょっとだけだぞ」

「やったぁ~、お父さん大好きっ!」

「さ~て、誰の話がいいかなぁ・・・」

「誰でもいいよ!早く聞かせて!ねぇ、早く!」

「じゃあ・・・マッピーって人の話

「・・・やっぱりなんだか眠くなってきた」

「うん、聞いてもつまらないだろうし。明日は公園と水族館に行こうね」 

「うん。楽しみだな・・・」





そう言ったまま眠ってしまった娘の顔を見て男は微笑んだ。
幸福は探すものではなく、実感するものだ。
取りとめもない物語を皆で作りあげることが幸福そのもの。
暖かくて小さな手を握ってみることが幸福そのもの。
 
この世に確かなことなんてない。
 
だから人は泣いたり笑ったりする。
笑ってしまったアンデッドでなくとも人間はいつかは消えてしまう。
その瞬間に最高の人生だったと笑えればそれでいい。
 
この世に確かなことなんてない。
 
だからこそ面白い。
在り来たりの言葉だけど、人は一人では生きていきない。
それぞれの人々はそれぞれの人々にとっての救世主なのだ。
それぞれの人々の世界をそれぞれの人々が救っているのだ。
そうやって今日も世界は終焉することなく続いている。
  
この世に確かなことなんてない。
  
いや、ただ一つだけ確かなことがある。
どんな魅力的な果実より青森の林檎の方がよっぽど美味い。













ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・ 








男は再び目を覚ました。
壁の時計は夜中の2時25分を指していた。

あれからまだ、30分も経っていない。

上半身だけを起こし、目を凝らしながら、
脳に直接響き渡るかのような、不快な物音の正体を探った。

「・・・ん?」

テレビの画面が発光していることに気付いた。

男はテレビの方へと歩み寄った。
しかしアノ音は、テレビのスピーカーから流れている訳ではなかった。

男はおもむろにオーディオラックの下を覗きこんだ。
すると、緑色に発光する小さなランプが視界に入って来た。

「・・・なんでだ?」

辛うじて端子はテレビに繋いだままだったものの、
もう何年も起動していない筈のスーパーファミコン。

そもそも・・・
アダプタは、壁のコンセントとは繋がっていない。

でも、間違いない。
アノ音は、そこから発せられていた。

男は無意識に、テレビのリモコンを手繰り寄せ、
入力切替ボタンを何度か押した。

画面左隅に『入力3』の表示が現れた刹那、
今度はテレビのスピーカーを通じてアノ音が大音量で流れた。




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
 




男は、ハッと振り返り、
ベッドで眠っている妻と娘を見やった。

不思議なことに二人は目を覚まさない。
目を覚まさないどころか、身動きひとつ取らない。

おかしい。

今までに感じたことのない『戦慄』が、一筋の汗となって、
男の背中を伝った。

そして、男は直感した。





振り返ってはいけない・・・
今、テレビの画面を見てはいけない・・・





何の根拠もなかった。
しかし、男はそう感じたのだ。



ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・ 



相も変わらず男の耳を劈く、アノ音。
不快だった筈の、アノ音。

しかし今、それは、
まるで赤子を手招きするかのような優しい旋律に聞こえる。



振り返ってごらん・・・
きっと、いい事があるわよ・・・




今、男が背にしているテレビの画面には、
見てはいけない物が映し出されているに違いない。



振り返ってはいけない・・・
今、テレビの画面を見てはいけない・・・




ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・



振り返ってごらん・・・
きっと、いい事があるわよ・・・




ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・



振り返ってはいけない・・・
今、テレビの画面を見てはいけない・・・




恐怖。



ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・



振り返ってごらん・・・
きっと、いい事があるわよ・・・




誘惑。



ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・



男は葛藤した。
男は何度も頭を振った。



ゴゴ・・・ゴ・・・・・・












静寂が訪れた時・・・

男は、振り返っていた。
画面に映し出された文字を見つめていた。



















 
 
 







第4回リレー小説『ボケハザード』

□終わるの?
□終わらないの?








虚ろな目のまま、
男はスーパーファミコンのコントローラを手にした。







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